ベーグルで太る人、やせる人 ベーグルダイエットのウソホント

ダイエットに使うアボカド ベーグルとは?

ベーグルは太るのでしょうか? それともベーグルはダイエットに効くのでしょうか?

日本では、ベーグルダイエットが話題になりますが、NYではあまり聞いたことがありません。

NYでは、ベーグルをヘルシーな食事とは捉えますが、体重を減らすという効果は、あまり謳われていなかったように思います。

しかし、自分が知らないだけなのかもしれませんから、イロイロと調べてみました。

その結果をお知らせします。

ダイエット中にベーグルを食べても大丈夫なのか?

ベーグルダイエットを始めようと思うけど、効果はあるのか?

などの疑問の解決の役立ててください。

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ベーグルがダイエットに効くわけ

日本で、ベーグルがダイエットに良いと言われる理由をまとめてみました。

  • 同じ量で比較すると、ベーグルは他のパンよりも低カロリー
  • 糖質制限に効果がある
  • 脂質が少なく、たんぱく質が多い
  • 食べ過ぎを防ぐ
  • いろいろな味が楽しめるので、続けやすい
  • 調理の必要がほとんどないので、続けやすい

と言うような理由ですが、これらは本当でしょうか。

ダイエット効果を左右する: カロリーと糖質の関係

先ず、カロリーと糖質の関係を説明します。

少し難しいかもしれませんが、この2つの違いが分からないと、ベーグルダイエットだけでなく、どんなダイエットも正しく判断できません

少しでも分かり易くするために、図で説明しますので、少しお付き合いください。

体が太る仕組み

最初に体が太ってしまう仕組みです。(分かり易さを最優先しているので、一部不正確な部分があります)

体が太る仕組み。食事からとるカロリーには糖質と脂質が含まれているが、カロリーが消費されるときにはまず糖質が消費され、次に脂質が消費される。太るという現象は、消費カロリーが摂取カロリーよりも少なく、脂質や糖質を使いきれずに、体内に蓄積されることから起こる。

図で分かるように、糖質も脂質もカロリーの一部です。食事から得たカロリーは、日々の生活で消費されますが、その時にはまず糖質が消費されて、次に脂質が消費されます。

そして使いきれなかったカロリーが、脂肪として体内に蓄積されます。これが太る仕組みです。

体がやせる仕組み

次に、体がやせていく状態を見てみましょう。

体がやせる仕組み。食事から得られるカロリーよりも、生活で消費されるカロリーの方が多くなると、体内に蓄積されている糖分や脂肪分を使って体を動かすようになる。

食事から採ったカロリーよりも、生活に使うカロリーが多くなると、不足分を補うために、体内に蓄積された糖や脂肪が消費されます。これがやせる仕組みです。

 

ベーグルがダイエットに良いというのは本当?

糖とカロリーの関係、太る仕組みと痩せる仕組みが分かったところで、ベーグルのカロリーに付いて見てみます。

ベーグルのカロリーは低くない

ベーグルのカロリーを調べてみたところ、カロリーは決して低くありませんでした。

ベーグル含め、主食となりそうなもののカロリーは、このようになっています。

食  事 カロリー(Kcal)
パスタ(1人分) 378
中華めん(1玉) 297
そば(1玉) 284
白米ごはん(1杯) 252
プレーンベーグル(1個) 250
玄米ご飯(1杯) 248
うどん(1玉) 231
クロワッサン(1個) 178
食パン1枚(6枚切り) 156
ロールパン(1個) 95
フランスパン(1切) 84

プレーンベーグルのカロリーは、ご飯1杯と同じくらいです。

そしてなんと、ロールパンやフランスパンよりも高カロリーなのです。

この結果からも分かるように、ベーグルは決して低カロリーではありません。

パスタや白米の代わりにベーグルを食べると、摂取カロリーは高くなります。

特に日本人向けに作られた、柔らかいベーグルには要注意です。柔らかいベーグルには米粉が使われていることがあるのですが、米粉入りのベーグルのカロリーは、更に高くなります。

カロリーだけで考えるならば、ベーグルはダイエット向きとは言えません。

ベーグルのカロリーは脂肪に変わり難い

カロリーが低いとは言えないベーグルですが、実際に脂肪になってしまうのはどれくらいでしょう?

 

突然ですが「GI値」という言葉をご存知ですか?

GI値とはGlycemic Index(グリセミック・インデックス)の略で、食事をした後に血液中の糖分がどれくらいのスピードで増えるかを数値で表したものです。

ダイエットをするならば、GI値が高いか低いかは、カロリーよりも重要かもしれません。

同じカロリーの食事でも、GI値が違うと脂肪の付き方が変わってしまうからです。

ここで、先ほどの太る仕組みを思い出して下さい。

体が太る仕組み。食事からとるカロリーには糖質と脂質が含まれているが、カロリーが消費されるときにはまず糖質が消費され、次に脂質が消費される。太るという現象は、消費カロリーが摂取カロリーよりも少なく、脂質や糖質を使いきれずに、体内に蓄積されることから起こる。

この図のように、余ったカロリーが体内に脂肪として蓄積されると、人は太ってしまいます。

GI値とはカロリーが脂肪に変わるスピードのこと

人間の体は、血液中の糖が急に増えると、血糖値を下げようと反応するのですが、この反応が同時に脂肪を作り出します。

急に大量の糖が体内に入ると、こんなことが起こるのです。

血液内の糖が急激に増えると、体が消費しきれないと判断して、カロリーの脂肪化を始めてしまう。

血液内の糖が急激に増えると、体が消費しきれないと判断して、カロリーの脂肪化を始めてしまうのです。

このスピード、つまり食べた後にどれくらいのスピードで、血液内の糖が増えるのかを数値化したのがGI値です。

同じカロリーの食事をしても、血液中の糖分がゆっくりと増える(GI値が低い)食べ物の方が、脂肪になり難いのです。

ベーグルのGI値は?

それでは、先ほどのカロリー表をGI値の高い順(脂肪になり易い順)に並べてみます。

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食事 GI値 カロリー
食パン1枚(6枚切り) 95 156
フランスパン1切 95 84
うどん(1玉) 85 231
白米ごはん(1杯) 84 252
ロールパン(1個) 83 95
プレーンベーグル(1個) 75 250
クロワッサン(1個) 70 178
パスタ(1人分) 65 378
中華めん(1玉) 65 297
玄米ご飯(1杯) 56 248
そば(1玉) 54 284

如何でしょう?

カロリー順では上位にあった、そばが最下位になりました。玄米ご飯も低い位置に来ています。

 

いかがですか?

こちらの順位の方が、太りやすい食材、太りにくい食材のイメージに近くないですか?

 

実は太るかどうかは、カロリーだけでなく、GI値にも左右されるのです。

同じカロリーでも、GI値が低ければ、脂肪に変わり難くなります。

もちろん、もともとのカロリーが少なければ、GI値が高くても脂肪に変わる量は制限されますので、GI値が高い食事がダイエットに不向き、と言うわけではありません。

同じカロリーの食事をとるならば、GI値の低い食事の方が、脂肪が付きにくくなるのです。

 

プレーンベーグルのGI値は75で、食パンやフランスパンの95に比べれば低くなっています。

しかし一方で、玄米ご飯(56)やクロワッサン(70)パスタ(65)よりは高いのです。

 

このことから、食パンを主食にしている方には、ベーグルダイエットの効果が期待できるといえます。

白米とベーグルのカロリーはほぼ同じですが、GI値はベーグルの方が低いので、白米をベーグルに変えるのも効果的が出そうです。

 

ですが胚芽米やクロワッサン、パスタを良く食べる方にとっては、ベーグルダイエットの効果は出にくそうです。

 

ベーグルを上手く使えば、ダイエットできる

これまで、カロリーとGI値から、ベーグルがダイエットに向くかを見て来ました。

その結果、白米や食パンをベーグルに切り替えれば、ダイエットの効果が見込めることが分かりました。

ですが、ベーグルダイエットには、もう一つ大きなメリットがあります。

 

ベーグルダイエットのメリット

先ほどのカロリー一覧でベーグル1個よりも低カロリーであったのはクロワッサン1個、食パン1枚、ロールパン1個、フランスパン1切などでした。

しかし実際の食事で、この量で足りるでしょうか?

この量で食事をしてしまったら、次の食事まで持つでしょうか?

 

恐らく持たないでしょう。

もし持たせるには、ロールパンやクロワッサンなら2個、フランスパンなら4切れ位は食べたいと思う方が多いのではないでしょうか。

そうなるとカロリーも2~4倍になります。GI値も上がります。しかもフランスパン以外のGI値はベーグルより高いので、食べたカロリーの多くが脂肪となり蓄えられてしまいます。

 

ですがベーグルの食事に限っては、そうなりません。

ベーグルの噛み応えがダイエットに効く

ベーグルの特徴である噛み応え。

この硬さがダイエットに効くのです。

硬いものを食べると、満腹中枢が刺激され、満足感を得やすいのです。

ハードなベーグルは、噛む回数が多いために満腹中枢が刺激されます。

胃よりも先に脳が「もういっぱい食べた」と認識するのです。

そしてこの満腹感は、胃で感じた時よりも長く続きます。

これだけでなく、良く噛んで食べると、体にいっぺんに食物が入らなくなるので、食事全体のGI値も下がります

つまり、ベーグルを食べることで、GI値を下げたり、間食を防いだり、次の食事の量が減らせたりするのです。

 

このメリットは私も日頃から感じています。

お米や食パンの朝食をいつもより多めに採ると、胃腸がしっかり働くせいなのか、普段より早くお腹が空いてしまうのですが、ベーグルに限ってはそのような事が起こりません。

それどころか、お昼時間が遅くなっても苦にならないほど、腹持ちが良いのです。

この効果は直ぐに実感できるので、一度試してみて下さい。

ベーグル以外の食材で、さらにダイエット効果を上げる

ベーグルのカロリーは低くなく、GI値も中間に過ぎません。

ですが噛み応えが良いことから、実際に食べた量よりもたくさん食べたように感じ、その満腹感が長く持ち、食事全体のGI値を下げるというメリットがあります。

このメリットを生かせばダイエットにも効果が生まれそうです。

ベーグルだけでなく、その他の食事や間食などとの関連性を考えてはじめて、ベーグルはダイエットに生かせるのです。

ベーグルを食事に取り入れるなら、朝食かランチの代わりにしましょう。そうすれば間食を防げますし、次の食事の量を減らすことが出来るでしょう。

夕食にベーグルを食べるのは、避けた方がよさそうです。確かに夜のスナック菓子などを防止する効果は有るのですが、それ以上に夜は代謝が鈍るので、ベーグルの低くないカロリーが、そのまま蓄積されてしまう可能性が高くなります。

 

糖が脂肪になり難くなる食べ方 ~ ベーグルのGI値をさらに下げる ~

そのままでもダイエット効果が見込めそうなベーグルですが、ベーグル以外の食材を使ってGI値をさらに下げれば、効果が増します。

実は食事の最初にGI値が低いものを取ると、血糖値の急激な上昇を抑える事が出来るのです。

例えばサラダやスープを食べてからベーグルを食べれば、血糖値が上がり難くなり、糖が脂肪に変わり難くなります。

それだけでなく、サラダやスープである程度お腹を満たせることが出来れば、食べるベーグルの量を減らす事も難しくはありません。

 

ベーグルダイエットに適した挟むもの

ベーグルを食べる前に、サラダなどを食べることでダイエット効果が上がるとお伝えしましたが、ベーグルに挟むものについても、同じように低カロリーで、血糖値の上昇を防ぐものを選びましょう。

ご参考までに、ベーグルに使われることが多い食材の、GI値とカロリーを記します。

食材GI値カロリー
肉・魚類
焼き豚 50g5186
ツナ缶(オイル) 50g50183
ベーコン 50g49202
サラミ 50g48288
ハム 50g4697
ソーセージ 50g46160
鶏肉(ささみ) 50g4553
スモークサーモン 50g4080
卵 1個3080
果物・野菜類
りんご 50g3623
キウイ 50g3523
ブルーベリー 50g3424
プルーン 50g34118
オレンジ 50g3112
タマネギ 50g3018
トマト 50g308
イチゴ 50g2917
アボガド 50g2794
キャベツ 50g2611
ピーマン 50g2611
グリーンアスパラ 50g2512
ブロッコリー 50g2513
セロリ 50g247
マッシュルーム 50g248
レタス 50g236
きゅうり 50g237
サラダ菜 50g227
ペースト類
クリームチーズ 20g3369
バター 20g30149
プレーンヨーグルト 20g2512

ベーグルには、タンパク質やビタミンなどが少ないため、野菜を多く使った方が、栄養バランスが良くなります。

肉類を挟むなら、鶏のささみが良いでしょう。野菜ならトマト、キュウリ、レタスなどがおススメです。

デザート風にしたいなら、リンゴを挟んでも良いですね。

ベーグルダイエットのキーワードは「ヘルシー」

いかがでしたでしょうか。

ご覧いただいたように、ベーグルダイエットは誰にでも適しているわけではありません。

間食が減らせない、昼食や夕食までにお腹が空いてしまうので、お腹いっぱい食べてしまう、という方には、ベーグルダイエットは試してみる価値があります。

間食はしない、昼食や夕食もクロワッサン・サンド1~2個でも足りる、というような方は、ベーグルダイエットはむしろしない方が良いでしょう。かえって太る可能性があります。

 

今回、ベーグルの栄養面を調べてみて、ニューヨーカーが、ベーグルをダイエット食ではなく、ヘルシーと捉えている理由が分かりました。

ベーグルだけではダイエット効果は期待できませんが、挟む食材を選んだり、食べ方を工夫することで、バランスが良い食事が採れるだけでなく、食べ過ぎを抑えたり、カロリーの脂肪化を抑制することが出来ます

このメリットを考えれば、ベーグルは誰にとってもメリットがある、ヘルシーな食べ物と言えるのではないでしょうか。

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